Anthropic、非エンジニア向け自律エージェント「Cowork」始動
- foorce

- 1月18日
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更新日:1月18日

Anthropicは2026年1月12日(現地時間)、同社のAIアシスタント「Claude」において、新機能「Cowork(コワーク)」を研究プレビューとして公開したと発表した。本機能は、開発者向けエージェント「Claude Code」で実証された自律的なタスク実行能力を一般業務へ適用するものだ。ローカルファイルの直接操作やブラウザ連携を通じ、非エンジニア層のデスクワークを単なる「対話」から「実務代行」へと引き上げる狙いがある。
「対話」から「実務の完遂」へ──Coworkの設計思想
Coworkは、Claudeがユーザーの「同僚(co-worker)」として振る舞い、単発の質問応答を超えて、目的の理解、作業計画の立案、そして複数ステップにわたるタスクの自律実行を行う機能である。
背景には、先行して提供されたCUIベースのエージェント「Claude Code」の成功がある。Anthropicによると、開発者がコーディング以外の用途(文書整理やデータ処理など)にも同機能を活用し始めたことを受け、その「自律実行エンジン」を抽象化し、GUIベースで誰でも扱える形へと再構築したのがCoworkである。これにより、複雑なプロンプトエンジニアリングを必要とせず、エージェンティックなワークフローを一般ビジネスユーザーが享受可能となる。
ローカル環境への介入権限と実行プロセス
Coworkは現在、macOS向けの「Claude Desktop」アプリ上で動作し、ユーザーが明示的に許可したローカルフォルダに対して直接的な介入を行う。チャット画面でのテキスト生成にとどまらず、以下の操作を自律的に実行する。
ファイル操作: ファイルの読み取り、編集、新規作成。
構造化と整理: ダウンロードフォルダ内の自動整理、分散したメモからのレポート作成、スクリーンショット群からの経費精算シート(スプレッドシート)生成など。
ブラウザ連携: Chrome連携設定やコネクタを使用することで、ブラウザ操作を伴う外部情報の取得やタスク実行にも対応。
特筆すべきは、タスクを非同期の「キュー」として処理できる点だ。ユーザーはAIの出力完了を待つ必要がなく、同僚に仕事を依頼するようにタスクを積み上げ、並列的に処理を進めさせることが可能となっている。
提供要件とセキュリティ設計
現在、Coworkは「研究プレビュー」の段階にあり、以下の条件で提供されている。
対象: 有料プラン「Claude Max」加入者
環境: macOS版 Claude Desktopアプリ
現状の制約: セッションをまたぐ長期記憶の保持や、既存機能「Projects」との統合は未実装。Windows対応やクロスデバイス同期は今後順次進められる。
安全性の担保 「AIにPCの操作権限を与える」という性質上、セキュリティには厳格な制限が設けられている。Claudeはユーザーが指定したフォルダ以外にはアクセスできず、ファイルの削除など破壊的な操作を行う前には必ずユーザーの確認を求める仕様となっている。Anthropicは、外部コンテンツによってAIの挙動が操作される「プロンプトインジェクション」のリスクについても言及しており、業界共通の課題として継続的な対策を行う姿勢を示している。
結論:デスクトップ操作権の争奪戦へ
Coworkの登場は、生成AIの主戦場が「チャットボット」から、PC操作や業務を完遂する「自律エージェント」へと本格的に移行したことを示唆している。
OpenAIの「Operator」やMicrosoftの「Copilot」も同様にエージェント化を推進しているが、Anthropicは「Claude Code」で培った高い論理的推論能力と実行力を武器に、非エンジニア領域への浸透を図る構えだ。今後は、セキュリティとプライバシーを担保しつつ、いかに既存の社内システムやSaaSとシームレスに連携できるかが、企業導入における勝負の分かれ目となるだろう。







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